幹細胞治療という言葉を聞くと、「再生医療」「先端医療」「点滴や注射で体に入れる治療」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。
一方で、「移植」と聞くと、手術のような大がかりな治療を想像して、少し身構えてしまう人もいるのではないでしょうか。
実は、幹細胞治療における「移植」という言葉は、必ずしも手術を意味するものではなく、目的や使われる幹細胞の種類によって、方法や体への負担が大きく異なります。
点滴や注射で行われるケースもあれば、入院管理が必要な移植もあり、その違いを知っておくことは、安心して情報を整理するうえでも大切です。
ここでは、幹細胞治療における移植方法の違いや考え方について、順を追って見ていきましょう。
幹細胞治療とは
幹細胞治療とは、体の中でさまざまな細胞に変化する能力をもつ幹細胞を利用して、損傷や不調が起きている組織の回復を助ける治療の総称です。
幹細胞は、自分自身を増やす力と、別の細胞に変化する力をあわせ持っており、体の修復や再生に関わる可能性があることから、医療の分野で研究や活用が進められてきました。
幹細胞治療は、病気やけがの治療といった医療目的で研究・実践されているものもあれば、肌や体調の変化を整えることを目的とした美容・ウェルネス分野で使われるケースもあります。
ただし、幹細胞治療と一言でいっても、使われる幹細胞の種類や、治療の目的、位置づけはさまざまです。すでに確立された治療もあれば、研究・開発段階にあるものも含まれています。
そのため、「幹細胞治療=同じ方法・同じ効果」と考えるのではなく、どのような目的で、どの幹細胞が使われているのかを整理して理解することが重要になります。
幹細胞治療における「移植」とは
幹細胞治療で使われる「移植」とは、幹細胞を体の中に届けること全般を指す言葉です。
再生医療や機能回復を目的とした分野では、比較的体への負担が少ない方法が中心となっているケースもあります。
ちなみに、幹細胞治療と聞くと再生医療や先端医療を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は骨髄移植も、医学的には幹細胞移植の一つにあたります。
骨髄移植では、血液をつくる役割をもつ造血幹細胞を移植し、白血病などの血液疾患の治療を目的としています。
一方で、再生医療の分野で研究・提供されている幹細胞治療は、骨髄移植のように血液を入れ替える治療とは性質が異なり、体の回復を支える環境づくりを目的としたアプローチとして説明されることが多い分野です。
また、幹細胞治療の文脈でよく耳にするiPS細胞も、人工的に作られた幹細胞の一種です。
iPS細胞は、さまざまな細胞に分化できる可能性を持つ一方で、現在は主に研究や開発の段階にあり、一般的な治療として広く使われているわけではありません。
そのため、現時点で医療現場で提供されている幹細胞治療の多くは、iPS細胞ではなく、間葉系幹細胞や造血幹細胞を用いた方法が中心となっています。
点滴による幹細胞の投与
現在、再生医療の分野で用いられている方法の一つが、点滴(静脈注入)による幹細胞の投与です。
幹細胞を血管内に入れることで血流にのって全身に分布し、炎症や損傷が起きている部位の周辺で作用する可能性が研究されています。
この方法の特徴は、体の特定の一か所だけでなく、全身の環境に働きかける可能性がある点にあります。
そのため、症状の原因が一部に限定しにくい場合や、複数の部位に影響が及んでいると考えられるケースで検討されることがあります。
また、点滴による投与は外科的な処置を伴わないため、比較的身体的負担が少ない方法として位置づけられることが多いのも特徴です。
一方で、体内での分布や反応には個人差があり、効果の現れ方や実感にはばらつきがある点も理解しておく必要があります。
注射による局所投与
もう一つの方法が、注射によって幹細胞を特定の部位に直接届ける方法です。
この方法では、関節や皮膚、特定の組織など、損傷や炎症が起きている場所に対して、ピンポイントで幹細胞を投与します。
局所投与の特徴は、狙った部位に直接アプローチできる点にあり、症状や不調の原因が比較的はっきりしている場合に検討されることが多い方法です。
また、投与する範囲が限られているため、全身への影響を最小限に抑えたい場合に選ばれることもあります。
一方で、局所的な投与であるため、症状が広範囲に及んでいる場合には適さないこともあるなど、適応には慎重な判断が必要です。
移植方法は目的によって選ばれる
幹細胞治療において重要なのは、「どの方法が優れているか」ではなく、何を目的として治療が行われるのかという点です。
使用する幹細胞の種類、症状の性質、治療の狙いによって、点滴が選ばれることもあれば、局所注射が選ばれることもあります。
また、治療方法や位置づけは医療機関や国によって異なるため、「移植」という言葉だけで治療の内容を決めつけないことが大切です。
まとめ
幹細胞治療の「移植」とは、必ずしも大がかりな手術を意味するものではありません。
点滴や注射といった方法で体内に届けられるケースもあり、目的や幹細胞の種類によって選択されます。
また、骨髄移植も医学的には幹細胞移植の一つですが、再生医療として語られる幹細胞治療とは目的や位置づけが異なります。
iPS細胞は将来の可能性を持つ幹細胞である一方、現時点では主に研究・開発段階にあり、現在行われている治療の中心ではありません。
治療について考える際は、言葉のイメージだけで判断せず、どのような目的で、どの幹細胞が、どの方法で使われているのかを整理して理解することが重要です。
分からない言葉が出てきたときは、そこで立ち止まって確認して大丈夫です。焦らず一つずつ整理することが、納得できる判断につながります。
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