帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、体の片側にピリピリとした痛みや違和感が出たあと、赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れる病気です。
「急に皮膚が痛くなった」「服が触れるだけでヒリヒリする」といった違和感から始まることも多く、最初は皮膚の病気だと気づかれにくいことがあります。
実は帯状疱疹は、皮膚だけのトラブルではなく、神経と免疫が深く関わる病気です。
この記事では、帯状疱疹がなぜ起こるのか、どんな症状が出るのかを中心に解説していきます。
帯状疱疹とはどんな病気か
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です。
このウイルスは、水疱瘡(水ぼうそう、水痘)の原因でもあります。
水ぼうそうは、子供の頃にかかる人が多い感染症ですが、
必ずしも「子どもだけの病気」というわけではありません。
水ぼうそうが治ったあとも、
ウイルスは体の中から完全に消えるわけではなく、神経の奥に潜伏したまま長い間眠った状態で残ります。
そして、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下したとき、
潜伏していたウイルスが再び活性化し、帯状疱疹として症状を起こします。
つまり帯状疱疹は、
新しくうつる病気ではなく、体の中に潜んでいたウイルスが目を覚まして起こる病気なのです。
なぜ神経に沿って症状が出るのか
帯状疱疹の症状が体の片側だけに、しかも帯状に現れるのには理由があります。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、神経の根元(神経節)に潜伏しています。
再び活性化すると、
ウイルスはその神経に沿って皮膚へ移動し、神経が支配している範囲の皮膚に症状を起こします。
神経は左右で独立して走っているため、
症状は体の左右どちらか一方にだけ出るのが特徴です。
このため帯状疱疹では、
- 体の片側だけが痛い
- 帯のようにつながった発疹が出る
- 痛みの場所と発疹の範囲が一致する
といった特徴的な症状が現れます。
帯状疱疹の主な症状
帯状疱疹の症状は、皮膚症状と神経症状の両方があるのが特徴です。
初期症状
- 皮膚に違和感・かゆみ・ピリピリ感
- チクチク、ズキズキする痛み
- 発疹が出る前から痛みだけが続く
皮膚症状
- 赤い発疹
- 水ぶくれ
- かさぶた
水ぶくれは数日で破れ、かさぶたになって治っていきます。
痛みが残ることもある
注意が必要なのが、皮膚が治ったあとも痛みが残るケースです。
これを帯状疱疹後神経痛といい、
- 焼けるような痛み
- 触れるだけで痛い
- 長期間続く痛み
といった症状が出ることがあります。
水ぼうそうにかからなければ帯状疱疹にはならない?
基本的に、
水ぼうそうにかかったことがある人だけが帯状疱疹を発症します。
これは、帯状疱疹が
水ぼうそうウイルスの「再活性化」によって起こる病気
だからです。
そのため、これまで水ぼうそうにかかったことがない人は、
帯状疱疹になることはありません。
ここで大切なのは、
水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染したときは、「帯状疱疹」ではなく「水ぼうそう」として発症する
という点です。
つまり、
- 1回目の感染 → 水ぼうそう
- 治ったあとにウイルスが神経に潜伏
- 免疫力が下がったときに再活性化 → 帯状疱疹
という二段階の経過をたどります。
ただし、大人が初めて水ぼうそうにかかると重症化しやすいため、
水ぼうそう・帯状疱疹ウイルス自体への注意は必要です。
帯状疱疹の年齢別リスク
帯状疱疹は、どの年代でも起こる可能性のある病気ですが、
年齢によって発症しやすさや重症化のリスクが大きく異なる
という特徴があります。
これは、ウイルスの強さが変わるのではなく、
体の中でウイルスを抑え込む免疫の力が、年齢とともに変化する
ためです。
子ども〜若い年代
水ぼうそうにかかったあと、
比較的若い年代では、ウイルスを抑える免疫がしっかり働いているため、
帯状疱疹が発症することは多くありません。
この年代で帯状疱疹が起こる場合は、
強いストレスや過労、病気などで一時的に免疫が低下
していることが背景にあるケースが多いとされています。
30〜40代
30〜40代になると、
仕事や育児、生活リズムの乱れなどで、
免疫が一時的に弱まりやすい時期に入ります。
このため、
- 疲労が続いているとき
- 強いストレスがかかっているとき
- 睡眠不足が重なっているとき
などに、帯状疱疹を発症することがあります。
「まだ若いのに帯状疱疹?」と思われがちですが、
決して珍しいことではありません。
50代以降
帯状疱疹のリスクが大きく上がるのが50代以降です。
年齢を重ねると、
水痘・帯状疱疹ウイルスを抑える「細胞性免疫」が
少しずつ低下していきます。
そのため、特別な病気や強いストレスがなくても、
ウイルスが再活性化しやすくなるのです。
高齢になるほど注意したいこと
高齢になるほど、
- 症状が強く出やすい
- 痛みが長引きやすい
- 帯状疱疹後神経痛が残りやすい
といったリスクも高まります。
これは、
皮膚の回復力や神経の修復力も年齢とともに低下
するためです。
帯状疱疹は、
「突然うつる病気」ではなく、「年齢とともに体のバランスが変わることで起こりやすくなる病気」
だといえます。
まとめ
帯状疱疹は、単なる皮膚トラブルではありません。
体の中に潜んでいたウイルスが神経に沿って再び動き出し、神経と皮膚の両方に症状を起こす病気です。
初期には、
- ピリピリ・チクチクする違和感
- 片側だけの痛みやかゆみ
- 風邪のようなだるさ
といった皮膚に変化が出る前のサインが現れることがあります。
その後、神経の走行に沿って、
- 赤い発疹
- 水ぶくれ
- 強い痛み
が帯状に出るのが、帯状疱疹の典型的な症状です。
大切なのは、
「水ぶくれが出てからが本番」ではないという点です。
違和感や痛みといった初期症状の段階で気づき、早めに対応することで、
症状の重症化や、痛みが長引くリスクを減らせる可能性があります。
帯状疱疹は、
体が発している「今、免疫が少し弱っているよ」というサイン
として現れることもあります。
症状の特徴を知っておくことは、
不安を減らし、必要なタイミングで医療につなげるための大切な一歩です。
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