「奇跡の木」注目のスーパーフード モリンガのメリットとデメリット
「モリンガ」という植物をご存じでしょうか。
インドや東南アジアを中心に古くから食用・薬用に用いられてきた樹木で、その高い栄養価から「奇跡の木」や、「命の木」とも呼ばれており、クレオパトラも愛用していたと伝わっています。
近年は健康食品やサプリメントとして注目を集めており、スーパーフードの一つとして世界的に人気が高まっています。
一方で注意すべき副作用や摂取のデメリットも存在します。
この記事では、モリンガのメリットとデメリットを説明します。
モリンガとは?
モリンガはアブラナ目で、インド北西部原産の植物です。年間4〜5メートル成長し、成木は高さ10〜12メートル、直径は45センチにまで達する大きな樹木です。
和名はワサビノキといい、根がワサビのような辛味を持つことに由来します。樹木全体に栄養価があり、葉・種子・花・根まで幅広く利用されます。
特に葉は乾燥させて粉末にし、お茶・サプリメント・スムージーなどに活用されます。
日本でも沖縄や九州など、温暖な地域で販売されています。
モリンガの歴史
モリンガの歴史は古く、紀元前2000年頃にまで遡ります。古代インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、「シグル」と呼ばれていました。これは「矢のように動く」という意味があり、モリンガが体内に迅速に浸透し、浄化作用を発揮することに由来しています。
モリンガは約300もの病気を予防すると伝えられており、健康維持や滋養強壮に欠かせないとされ、薬剤としての用途の他に食材としても用いられてきた由緒のある植物です。
モリンガの用途
モリンガはほぼすべての部分を利用でき、たくさんの用途があります。
- 収穫したままのモリンガ:茹で野菜として食べる
- モリンガの花:煎じた茶を強壮剤として飲む
- モリンガの花:アロマ効果のある香水
- モリンガの花:食用として食べる
- モリンガの葉:免疫効果を目的とするハーブティーやサプリメント
- モリンガの根:リウマチ薬
- モリンガの根:カレーの香辛料
- モリンガの種:殺菌効果を期待したオイル
- モリンガの幹:紙や繊維製品の原材料
- モリンガの樹皮:ロープの原材料
現在の研究は主に葉と種子に焦点を当てており、欧米のみならず、日本でもスーパーフードとして注目され、サプリメントや健康食品の原材料として使用されています。
また、モリンガは二酸化炭素の吸収能力が高いため、健康に良い影響を与えるだけではなく、地球環境にも優しいと言われています。
モリンガのメリット
1. 栄養価の高さ
モリンガは「天然の栄養サプリ」と呼ばれるほど栄養素が豊富です。90種類もの栄養素や18種のアミノ酸が含まれていると言われ、地球上でもっとも栄養価の高い植物のひとつです。
- ビタミンA・C・E(抗酸化作用)
- カルシウム・マグネシウム・鉄(骨や血液の健康に必要)
- 必須アミノ酸(体の修復や免疫維持に必須)
- 食物繊維(腸内環境改善)
一度に多くの栄養を摂れる点は、日常的に野菜不足になりやすい方にとって心強い特徴です。
2. 抗酸化作用
モリンガにはポリフェノールやフラボノイドが豊富に含まれています。これらは体内の活性酸素を除去し、老化や生活習慣病の予防、アンチエイジングに役立つとされています。
特にストレス社会で生活する現代人にとって、抗酸化作用は大きなメリットとなります。
3. 生活習慣病予防
研究によると、モリンガは血糖値の安定やコレステロールの低下の効果が期待されています。
そのため、糖尿病・高血圧・動脈硬化といった生活習慣病のリスクを下げる可能性があります。
また、血流の改善にもつながるため、冷え性や肩こりの改善にも役立ちます。
4. 腸内環境改善
モリンガに含まれる食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、便通改善や免疫力のサポートに貢献します。
腸は「第二の脳」とも呼ばれており、腸内環境の改善はメンタルヘルスにも良い影響を与えるといわれています。
5. 抗炎症作用
モリンガには抗炎症成分が含まれており、慢性的な炎症を和らげる働きが期待されています。
関節炎・アレルギーなど炎症に関わる不調を持つ方にとって、心強いサポート食品といえるでしょう。
6. メンタルヘルスへの効果
モリンガにはGABAが多く含まれています。
現代人の脳はストレスによってアドレナリンの分泌量が増えやすい傾向にあります。GABAはアドレナリンの分泌を抑えるためのブレーキをかける役割があるため、ストレスを強く感じる方への対策としてもおすすめです。
モリンガのデメリットと注意点
モリンガにはたくさんのメリットがありますが、摂取量や体質によってはデメリットもあるため注意が必要です。
1. 摂りすぎによる副作用
モリンガは栄養価が高いため、過剰摂取すると下痢・腹痛など胃腸の不調を引き起こすことがあります。特に粉末サプリを大量に摂る場合は注意が必要です。
2. 妊娠中・授乳中の注意
一部の部位(根や樹皮)には子宮収縮作用があるとされ、妊娠中に摂取することは推奨されません。授乳中の摂取についても、安全性の研究は十分ではないため、医師に相談されるのが安心です。
3. 薬との相互作用
モリンガには血糖降下作用や血圧降下作用があるため、糖尿病や高血圧の薬を服用中の方は作用が重なりすぎ、過剰に効果が出てしまう可能性があります。必ず主治医と相談のうえで取り入れましょう。
4. アレルギーの可能性
ごくまれにモリンガに対してアレルギー反応を起こす方がいます。摂取を始める際は少量から試し、体調に変化がないか確認しましょう。
まとめ
モリンガは、栄養価が非常に高く、抗酸化・抗炎症・生活習慣病予防など多くのメリットが期待できるスーパーフードです。
一方で、過剰摂取や妊娠中の使用、薬との併用には注意が必要です。
取り入れる際には、適量を守ること、そして必要に応じて医師や専門家に相談することが安心につながります。
モリンガを上手に活用することで、毎日の健康をより豊かにサポートできるでしょう。