若返りの救世主エラスチンにはどんな機能があるの?その効果は?

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若返りの救世主エラスチンにはどんな機能があるの?その効果は?

年齢を重ねるとともに気になってくるお肌のハリや弾力。「若さを保ちたい」という願いは、古今東西変わらない人類の願望ではないでしょうか。

そんな若々しさの鍵を握る重要な成分の一つが「エラスチン」です。

この記事では、エラスチンの正体から働き、体内での役割、さらに年齢とともに減少していくエラスチンをどう維持するかまで、わかりやすく解説していきます。

エラスチンとは?身体に欠かせない弾力成分の正体

エラスチンは、私たちの体の中で「弾力性」や「しなやかさ」を担う重要なタンパク質です。

皮膚や血管、肺、靭帯など、伸び縮みする必要がある組織に多く含まれています。

その名の通り「弾性(エラスティシティ)」を与える物質で、ゴムのように伸びたり元に戻ったりする性質があるのが特徴です。

私たちの肌がふっくらとハリを保ち、血管が適切に拡張・収縮できるのは、このエラスチンの働きがあるからなのです。

体のどこに存在するの?

エラスチンは体のさまざまな部位に存在していますが、特に以下の場所に多く含まれています。

  • 皮膚の真皮層
  • 血管壁
  • 肺の組織
  • 靭帯や腱
  • 軟骨

これらの組織に共通するのは、日常的に「伸び縮み」する必要がある点です。

例えば、血管は血液の流れに合わせて拡張と収縮を繰り返し、肺は呼吸のたびに膨らんだりしぼんだりします。

こうした伸縮性が必要な組織にエラスチンが豊富に含まれているのは、まさに体の設計が無駄のないものであることを示しています。

エラスチンとコラーゲンの違いとは?美肌を支える二大成分

美容に関心がある方なら、「コラーゲン」という言葉にも馴染みがあることでしょう。

エラスチンとコラーゲンは、どちらも肌の若々しさを保つのに欠かせない成分ですが、その役割は大きく異なります

コラーゲンは「強度」を担い、エラスチンは「弾力性」を担うというのが最大の違いです。

特徴 コラーゲン エラスチン
主な役割 組織の強度や支持構造を提供 伸縮性や弾力性を提供
性質 引っ張りに強いが、伸縮性は低い ゴムのように伸び縮みする
体内での例え 「建物の骨組み」のような存在 「バネやゴム」のような存在
再生性 ある程度再生可能 再生が難しい

この二つのタンパク質は、お互いに協力し合って私たちの肌や組織の健康を支えています。

コラーゲンが肌の「土台」を形成し、エラスチンがその土台に「弾力」を与えるというイメージです。

コラーゲンだけでは硬くて伸びない組織になってしまいますし、エラスチンだけでは十分な強度が得られません。

この絶妙なバランスが、若々しい肌の秘密なのです。

エラスチンの主な効果と体内での働き

エラスチンは体内でさまざまな重要な役割を担っています。

エラスチンの存在は単に見た目の若々しさだけでなく、体の基本的な機能の維持にも深く関わっています

どのような働きがあるのか、詳しく見ていきましょう。

肌の弾力とハリを保つ働き

エラスチンは肌の真皮層に存在し、肌にハリと弾力を与えています。

指で肌を軽く押したとき、すぐに元の状態に戻るのはエラスチンの働きのおかげです。

豊富なエラスチンを持つ若い肌は、押しても引っ張っても元の状態に戻りやすく、これが「若々しい肌」の特徴の一つとなっています。

血管の健康を維持する役割

エラスチンは血管壁にも多く含まれており、血管の伸縮性を保っています。

心臓が拍動するたびに血管は拡張と収縮を繰り返しますが、この柔軟性を支えているのがエラスチンです。

健康な血管は適切に伸び縮みすることで、血流をスムーズに保ち、体全体に酸素や栄養を届けることができます。

肺や関節の柔軟性を支える

肺の組織にもエラスチンは豊富に含まれています。

呼吸のたびに肺は膨らんだりしぼんだりしますが、この動きを可能にしているのもエラスチンの伸縮性です。

また、関節や靭帯にあるエラスチンは、滑らかな動きや柔軟性を支えています。

日常の動作がスムーズにできるのも、エラスチンがあってこそなのです。

年齢とともに減少するエラスチンの変化

残念ながら、エラスチンは加齢とともに徐々に減少し、その質も変化していきます

これが、年齢を重ねるとともに肌のハリや弾力が失われていく大きな理由の一つです。

エラスチンはどのように変化していくのでしょうか。

エラスチンのピークと減少

エラスチンの量は20代前半をピークに、その後徐々に減少していきます。

40代になると20代と比べて約30〜40%ほど減少すると言われています。

この減少は自然な老化現象の一部ですが、生活習慣によってその速度に違いが出ることもあります。

エラスチン減少を早める外的要因

エラスチンの減少を早める主な外的要因には以下のようなものがあります。

  • 紫外線(UV)の過剰な曝露
  • 喫煙
  • 大気汚染
  • 不規則な生活習慣
  • 慢性的なストレス
  • 栄養バランスの偏り

特に紫外線と喫煙は、エラスチンを破壊するエラスターゼという酵素の活性を高めてしまうため、エラスチンの減少を加速させることが知られています。

エラスチン減少の肌への影響

エラスチンが減少すると、肌にはどのような変化が現れるのでしょうか。

  • 弾力の低下(押しても元に戻りにくくなる)
  • ハリの喪失
  • たるみの出現
  • しわの形成
  • 乾燥しやすくなる

これらの変化は、徐々に進行していくため、日々の積み重ねが将来の肌の状態を左右することになります。

エラスチン減少でおこる体への影響

エラスチンの減少は、肌の変化だけでなく、体全体にさまざまな影響をもたらします。

エラスチンが減少することで、見た目の変化だけでなく、体の機能にも様々な変化が生じてくるのです

具体的にどのような影響があるのか見ていきましょう。

血管への影響

エラスチンが減少すると、血管の伸縮性が低下し、血管が硬くなってきます。

これにより、血管が血圧の変動に対応しにくくなり、血圧が上昇しやすくなることがあります。

血管の柔軟性の低下は、血流の滞りにもつながる可能性があります。

健康な血流は全身の細胞に酸素や栄養を届けるために重要ですので、エラスチンの減少は全身の健康状態に影響を与えることがあるのです。

肺や呼吸への影響

肺の組織にあるエラスチンが減少すると、肺の弾力性が低下します。

これにより、呼吸時の肺の膨張と収縮がスムーズに行われにくくなり、呼吸機能に影響が出ることがあります。

深い呼吸が難しくなったり、軽い運動でも息切れを感じやすくなったりする場合があります。

関節や靭帯への影響

関節や靭帯のエラスチンが減少すると、柔軟性が低下し、動きがぎこちなくなることがあります。

特に、日常的によく使う関節(膝や指など)では、その影響が顕著に現れることがあります。

朝起きたときの体のこわばりや、長時間同じ姿勢を続けた後の動きにくさなども、エラスチンの減少が一因となっている可能性があります。

エラスチンに関する最新研究と科学的根拠

エラスチンの機能や効果については、様々な研究が進められています。

科学的な研究からわかってきたエラスチンの働きや可能性は、私たちの健康や美容に新たな選択肢を提供してくれる可能性があります

ここでは、エラスチンに関する最新の研究結果や科学的根拠について紹介します。

血管の健康に関する研究

近畿大学農学部の研究チームによる実験では、高血圧状態のラットにエラスチンを摂取させたところ、血管の内皮細胞が保護され、血管のしなやかさが維持されることが確認されました。

また、白血球が血管壁に付着しにくくなる傾向も見られ、これは血管の炎症や損傷を抑制する可能性を示唆しています。

さらに、腎臓内の細小血管の損傷も減少し、腎機能の維持に寄与する可能性も報告されています。

肌の弾力性に関する研究

エラスチンを含む製品を使用した臨床試験では、継続使用によって肌の弾力性や水分保持力が向上したという報告があります。

特に、エラスチン加水分解物を配合した美容液やクリームの使用後、肌の弾力測定器で測定した結果、使用前と比較して弾力性が向上したというデータが得られています。

また、紫外線によるダメージからも肌を守る効果があることが、動物実験の結果から示唆されています。

エラスチンの安全性と注意点

エラスチンを含む食品やサプリメントは一般的に安全とされていますが、いくつか注意すべき点もあります。

エラスチンの摂取や利用を検討する際は、自分の体質や健康状態を考慮し、必要に応じて専門家に相談することが大切です

アレルギーの可能性

エラスチンは主に動物由来(魚、豚、鶏など)の成分であるため、これらにアレルギーのある方は注意が必要です。

初めて摂取する場合は少量から始め、体の反応を観察することをおすすめします。

特に、サプリメントの形で濃縮されたエラスチンを摂取する場合は、より注意が必要です。

過剰摂取について

エラスチンの過剰摂取による深刻な副作用の報告は少ないですが、サプリメントなどで摂取する場合は推奨量を守ることが大切です。

体内に吸収されないエラスチンは、通常は体外に排出されますが、個人の体質によっては消化不良や胃部不快感などを引き起こす可能性もあります。

薬との相互作用

現時点では、エラスチンと薬剤との明確な相互作用は報告されていませんが、血液をサラサラにする薬(抗凝固剤)や血圧の薬を服用している方は、事前に医師に相談することをおすすめします。

エラスチンが血管の状態に影響を与える可能性があるためです。

妊娠中・授乳中の摂取

妊娠中や授乳中のエラスチンサプリメントの安全性については、十分な研究データがありません。

このような時期にサプリメントの摂取を検討している場合は、必ず医師に相談してください。

食品からの自然な摂取は通常問題ありませんが、濃縮されたサプリメントは注意が必要です。

まとめ

この記事では、エラスチンの基本的な性質から体内での働き、年齢による変化、そして守り方まで幅広く解説してきました。

  • エラスチンは体の弾力性を保つ重要なタンパク質で、肌のハリや血管の柔軟性に不可欠
  • コラーゲンが強度を担うのに対し、エラスチンは弾力性を担う
  • 20代をピークに年齢とともに減少し、肌のたるみや血管の硬化などにつながる
  • エラスチンの研究は美容だけでなく医療分野でも進められており、将来の応用が期待されている

エラスチンは私たちの体の若々しさと健康を支える重要な成分です。

日々の生活の中で意識的にエラスチンを守り、その機能を最大限に活かすことで、より健やかで若々しい状態を長く保つことができるでしょう。

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